コロナで景気が悪くて、
リストラや倒産とか、不安なニュースばかり。
求人倍率も下がっているって聞くけど、求人倍率って何?
実はあんまりわかってないので詳しく知りたいな。
2020年の新型コロナウイルスの影響で、
世の中は、未曽有の不景気に追いやられていますね。
企業の倒産に、リストラ、採用ストップなど、
毎日暗いニュースが流れています。
2020年10月2日の日本経済新聞にもこのようなニュースが出ました。
8月の有効求人倍率1.04倍に低下 6年7カ月ぶり低水準
厚生労働省が2日発表した8月の有効求人倍率(季節調整値)は1.04倍で前月から0.04ポイント低下した。6年7カ月ぶりの低水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた雇用情勢の厳しさが続いている。
引用:日本経済新聞
少しむずかしい漢字や情報が並んでいますが、
有効求人倍率が6年7か月ぶりの水準に下がっていて
雇用環境については、厳しい状況が続いている
ということがわかりますね。
今回はのブログ記事では、この情報を掘り下げるために
・そもそも有効求人倍率って何?
・最新の有効求人倍率の詳細は?
・有効求人倍率を見るときの注意点は?
などについて、解説していきます。
このブログを読み終えれば、
有効求人倍率から読み取れる情報が増えて、
日本経済の現状や、今後の展望などが見えてくるでしょう。
ぜひ、最後まで読んでいってください。
目次
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有効求人倍率とは? 定義や算出方法は?
まずは、有効求人倍率とは何なのか、定義や算出方法をご紹介します。
有効求人倍率とは1人あたり何件の求人があるかの指標
有効求人倍率とは、
求職者1人に対して何件の求人があるかを示す数値で
「就職のしやすさ」の目安になる指標です。
例えば、
・働きたい求職者10人に対して
・募集したい企業の求人が20件あるとき
・有効求人倍率は2.0倍
となります。
人手が足りず、多くの企業が積極的に人をさがしているときは
有効求人倍率は「1」を上回ることになります。
有効求人倍率が大きいほど「就職しやすい」傾向になるのです。
一方で、企業があまり人を採用しないときには、
有効求人倍率は「1」を下回ることになり、
有効求人倍率が小さいほど「就職しにくい」傾向となります。
このように、有効求人倍率は、景気とほぼ一致して動きます。
そのため、景気の動向を知るための指標になるのです。
有効求人倍率の簡単な算出方法は?
有効求人倍率の算出方法は、次の通り。
有効求人倍率=有効求人数(件)/有効求職者数(人)
有効求人数や有効求職者数のデータは、
全国のハローワークにおける求人数、求職者数を算出したものになり、
厚生労働省が、毎月発表しています。
「有効」ってどういう意味?
求人倍率や求人数、求職者数の前につく「有効」は、
「ハローワークでの求人数や求職者数が有効期間内にあること」を意味しており
有効期間とは、その数値が確かだと認められる期間の目安です。
ハローワークでは、求人、求職とも、
「有効期間は2ヶ月間(翌々月の末日まで)」と定められています。
ですから、
有効求人数:前月と当月の求人の数
有効求職者数:前月と当月の求職者の数
で、算出されています。
そのため、有効求人倍率は、算出をする時点で
実際に求人を出している企業、求職をしている人の
動向を知ることができる指標となっています。
【2020年8月】最新の有効求人倍率から読み取れることは?
有効求人倍率の理解が深まったところで、
具体的に、有効求人倍率から読み取れる社会動向を確認しましょう。
有効求人倍率の推移【リーマンショックからコロナショックまで】
コロナショックの影響から、厚生労働省では、
平成19年から、令和2年までの有効求人倍率の推移が発表されています。
こちらのグラフの左側が各年の推移で、右側が直近1年の推移を表しています。
リーマンショックと、コロナショックの比較がわかりやすいですね。
コロナショックで有効求人倍率は落ちていますが、
リーマンショックと比べると、まだ持ちこたえているという印象です。
実際に、リーマンショック時には、有効求人倍率は0.5を割り込みました。
その後、労働需要の高まりや労働人口の減少を背景に回復を続け
平成26年(2014年)には1.0を超え、
平成30年(2018年)の平均値は1.62となり、
バブル期のピークを上回りました。
【2020年8月】有効求人倍率の低下は8か月連続
令和2年に入り、新型コロナウイルスの影響が大きくなって以降、
有効求人倍率はどんどん下降線をたどり、8月まで連続で落ち続けています。
有効求人倍率の低下は1月から8カ月連続。8月は企業からの有効求人が前月から0.9%増えたものの、働く意欲のある有効求職者は4.7%増えた。
雇用の先行指標となる新規求人(原数値)は前年同月比で27.8%減った。減少幅では宿泊・飲食サービス業が49.1%、生活関連サービス・娯楽業が41%と大きかった。製造業(38.3%)や情報通信業(34.6%)、卸売業・小売業(34%)など幅広い産業で大きく落ち込んだ。
新型コロナに関連した解雇・雇い止めにあった人数(見込みを含む)は9月25日時点で6万923人だった。製造業と飲食業でそれぞれ1万人前後に達した。厚労省が全国の労働局やハローワークを通じて集計した。
引用:日本経済新聞
このように、悲観的な情報が多いですが、
詳細に見ていくと、7月、8月と有効求人数は増えています。
3月~6月は、緊急事態宣言など、
新型コロナウイルスにどのように対応すべきか
世の中が模索している段階でした。
しかし、7月、8月と、各企業も方針を決定して
withコロナの中での動きを進めつつあるというのが、
求人の回復などにつながっているのでしょう。
このあたりの動向がどのようになるのか?により
景気動向が見えてきますので、引き続き注視していきましょう。
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有効求人倍率を見るときの注意点
有効求人倍率には、注意しなければならない問題点もあります。
ハローワーク以外での求人・求職が含まれない
有効求人倍率は、ハローワーク以外での求人・求職が含まれていません。
有効求人倍率は、先でお伝えした通り、
厚生労働省がハローワークでの求人数・求職者数をもとに算出したものです。
ですから、就職雑誌や民間企業の求人サイトや、
ハローワーク以外で募集される転職・新卒者の求人は反映されていません。
就職・転職市場は、情報社会になるにつれて、いろんな手段が増えてきています。
そういう意味では、有効求人倍率が本当に、
社会全体の就職しやすさを表しているものになっているのか?
は、断言できない点でもあるのです。
正社員の求人とは限らない
有効求人倍率のもう1つの問題点は、求人が正社員の募集とは限らないことです。
厚生労働省発表の「有効求人倍率」は、
正規と非正規の求人は区別されおらず、すべての雇用形態の求人です。
非正規雇用は、正規雇用と比べて雇用後の安定が保証されているとはいえません。
一時的な需要で募集があるため、求職数が増えても、またすぐに減ることも考えられます。
このような観点からも、有効求人倍率が、
正確に景気の動向を示すものであるとは言い切れない部分もあるのです。
別の指標で新卒採用の求人倍率もまとめていますので、
こちらもぜひ参考にしてもらい、総合的に景気を見ていきましょう。
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【2020年10月】2021年新卒採用の求人倍率と就職内定率の状況
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【まとめ】最新の有効求人倍率の推移
いかがでしたでしょうか?
今回は、2020年8月時点の有効求人倍率の推移を解説しました。
簡単にポイントをまとめます。
2020年8月の有効求人倍率
・有効求人倍率は就職のしやすさを示す指標である
・有効求人倍率は2020年に入り8か月連続で下落している
・ただリーマンショックと比べると持ちこたえている
新型コロナウイルスの影響が社会にどこまで影響を与えるのか?
については、今後の有効求人倍率を見ていきたいところです。
というのも雇止めの影響で求職者がどこまで増えるのか?
により、有効求人倍率は変化してくるからです。
社会を見るポイントは他にもあるので、いろんな指標を知り、
それぞれの指標の特徴をおさえて、社会動向を確認していきましょう。
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