
マラソンに向けた練習や、レースのペース設定って
どんなふうに決めたらよいのかな?
何を基準にしたらいいんだろう?
こんな風に悩んでいる
マラソンランナーも多いと思います。
ランニングの日々の練習も、
疲労回復を目的としたジョギングから
スピードアップさせるインターバル走やビルドアップ走、
ロング走など、メニューは多岐にわたります。
とはいえ、市民ランナーは、コーチなどおらず、
練習メニューは、見よう見まねで自己流になりますよね。
僕もネットや友人に聞いて、とりあえず頑張れば
速く走れるようになるだろう、という感じで、
トレーニングを進めていましたが、
その結果、ケガをしたりということもありました。
そんな中、何か体系的にランニングを学べる方法論はないか?
ということで、たどり着いた一つの考え方が、
「ダニエルズ式トレーニング」というものです。
この考え方を知ってからは
・日々の練習に意味を見いだせてトレーニングできる
・自分のレベルから考えたトレーニングの目安ができる
など、ランニングの方法論が見えてきました。
そこで今回は、多くの人が参考にしている
このダニエルズ式トレーニングについての基礎を解説します。
最後まで読んでもらえれば、あなたが、
どんな練習をしていくべきか?が見えてくるはずです。
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ダニエルズ式トレーニングとは?
体型的に、トレーニング理論について学ぶことができるのが、
彼の著書である「ダニエルズ・ランニング・フォーミュラ 第3版」です。
著者のジャック・ダニエルズは「世界一の指導者」と言われ
多くの世界トップランナーを輩出してきています。
僕も、様々なランニング雑誌や本を読んきましたが、
多くのものがダニエルズ式トレーニング理論をベースに書かれており、
ランニング界の古典所と言っても過言ではありません。
今回は、こちらの本に書かれる、
マラソントレーニングの種類と強度について紹介します。
ダニエルズ式トレーニングによるマラソン練習5つの種類
ダニエルズ式トレーニングでは、
ランニングの種類は5つに分類されます。
・E:イージーランニング
・M:マラソンペースランニング
・T:閾値ランニング
・I:インターバルトレーニング
・R:レペティショントレーニング
それぞれについて具体的に見ていきましょう。
【ダニエルズ式トレーニング】E:イージーランニング
Eランニングの効果は
・基礎を築くときにベスト
・心筋を発達させる
・身体のエネルギー効率が高まる
などがあります。
ペースのイメージとしては、
会話ができて、いつでも楽に走れる感覚です。
月の目標走行距離に到達するためだったり、
疲労回復するときに走るのがEペースランニングなのです。
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ランニングのEペーストレーニングの目的や効果は?Vdot表で確認しましょう
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【ダニエルズ式トレーニング】M:マラソンペースランニング
その名の通り、マラソンレースの設定ペースで
走るランニングのことです。
ただ、マラソンを完走したことがない人からすると
このMペースを設定することが難しいですね。
そこで、最近走った10kmやハーフマラソンの
タイムから、およそのフルマラソンのタイムを予測することができます。
たとえば、10kmのレースなら、
そのタイムより3分遅いタイムが、
Mペースと考えられます。
例
10km50分(キロ5分)の場合、
Mペースは10km53分のキロ5分18秒と予測できます。
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Mペースの目的や効果は?Vdot表で確認してマラソントレーニングに活かしましょう
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【ダニエルズ式トレーニング】T:閾値ランニング
閾値という言葉は聞きなれないですよね。
※Tは「Threshold 閾値」の略です。
閾値は、運動強度を上げていく中で、血中乳酸素濃度が
急に上がるポイントのことです。
このポイントを高めることが、持久力を高めることにつながります。
強度でいうと20~30分は走り続けられるスピードです。
イメージで言うと「快適なきつさ」です。
ある程度の時間、少しだけ速めのペースで持ちこたえる
感覚を身体にしみこませながら、持久力をあげるのです。
僕がサブ3をするために、精力的に取り組んだのが
このTペースのランニングです。
5km19分~20分(キロ3分50~4分00)で
走り続けて、閾値の向上を図りました。
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マラソンの閾値走にはVdot表を使おう
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【ダニエルズ式トレーニング】I:インターバルトレーニング
閾値トレーニングの強度を、より一段あげたものが
インターバルトレーニングとなります。
走る→リカバリー→走る→リカバリーと繰り返すものが一般的ですね。
スピード練習として広く知られているインターバル走ですが、
ダニエルズにおけるIトレーニングの目的は、
「有酸素能力(VO2max)の向上」と定義しています。
有酸素能力とは、全身持久性能力とも呼ばれ、
長い時間にわたって全身的な運動を継続できる能力です。
僕は、閾値ランニングとともに、サブ3に向けて
インターバルトレーニングもたくさんやりましたね。
非常にきついトレーニングです。
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マラソンのインターバルトレーニングにはVdot計算表を使おう
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【ダニエルズ式トレーニング】R:レペティショントレーニング
Rペースでのトレーニングの主な目的は、
無酸素性作業能、スピード、ランニングの経済性を高めることです。
インターバル走と似ており、ランとリカバリーを
繰り返していくトレーニングとなります。
しかし、インターバル走とRトレーニングの大きな違いは、
「正しいフォームで速く走ること」です。
もがいてフォームを崩してしまうと意味がないのです。
また、Rペースで走る疾走区間は、2分を超えないというルールがあり、
ほとんどのランナーの疾走距離は200m~600mになります。
リカバリーは疾走時間の2~3倍と心肺が回復するまで十分に取りましょう。
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【200~400m】マラソンのレペティショントレーニングにはVdot表を使おう
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ダニエルズ式トレーニングの練習の組み合わせ
ここまで、5つのトレーニングを見てきて、
なんとなく聞いたことあるものや、初めて知るものも
あったと思います。
ダニエルズ式トレーニングでは、
この5つのトレーニングを大会までの
4つの期間(フェーズ)において、
それぞれの組み合わせによりメニューを組みます。
フェーズ | 練習の目的 | 練習構成 |
フェーズⅠ | 基礎の構築と怪我の予防を主眼とするフェーズ | E |
フェーズⅡ | スピードへの適応フェーズ | E、R |
フェーズⅢ | 有酸素性システムへの運動刺激で4つの刺激のうち最もハードなフェーズ | E、I、R |
フェーズⅣ | 持久力・閾値領域の向上、パフォーマンスをピークに持っていくフェーズ | E 、 T、 I 、R |
ということで、あなたが狙っているレースから
逆算して、今自分がどのフェーズにいるのか?
を考えて、練習メニューを組んでいくとわかりやすいですね。
【まとめ】ダニエルズ式トレーニング
いかがでしょうか?
マラソントレーニングの種類と特徴や
組み合わせ方など、イメージわきましたか?
自分のレベルを知り、
今のフェーズを設定して、
今日の練習の目的を決める。
それを意識しながら、日々トレーニングをしていきましょう。
そうすれば、マラソンのレベルアップは確実です。
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VdotとVO2maxはどう違う?マラソンのタイムを予測するには?
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