ダニエルズのVdotという指標について知りたいです。
Eペースとか、Mペースとか、いろいろあるけど、
どういう意味なの?
マラソンを頑張っていると、
Vdotとか、Eペースとか、
そういう言葉に出会いますよね。
おそらくサブ4クリアして、
サブ3を目指すあたりで。
これらは、「世界一の指導者」と言われる
ジャック・ダニエルズ氏の提唱している理論の言葉です。
この理論を知ることで、
・日々の練習に意味を見いだせてトレーニングできる
・自分のレベルから考えた練習メニューができる
ということで、ランナーのレベルを上げるトレーニングの考え方がわかります。
今回はこちらについて解説していきます。
目次
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Vdotとは?ダニエルズ式トレーニングについて解説します
体系的に、トレーニング理論について学ぶことができるのが、
彼の著書である「ダニエルズ・ランニング・フォーミュラ 第3版」です。
著者のジャック・ダニエルズは「世界一の指導者」と言われ多くの世界トップランナーを輩出してきています。
僕も、様々なランニング雑誌や本を読んきましたが、
多くのものがダニエルズ式トレーニング理論をベースに書かれており、
ランニング界の古典所と言っても過言ではありません。
今回は、こちらの本に書かれる、マラソントレーニングの種類と強度について紹介します。
Vdotを活かしたマラソントレーニングの種類
ダニエルズ式トレーニングでは、
ランニングの種類は5つに分類されます。
・E:イージーランニング
・M:マラソンペースランニング
・T:閾値ランニング
・I:インターバルトレーニング
・R:レペティショントレーニング
それぞれについて具体的に見ていきましょう。
Vdotの練習メニュー①E:イージーランニング
Eランニングの効果は
・基礎を築くときにベスト
・心筋を発達させる
・身体のエネルギー効率が高まる
などがあります。
ペースのイメージとしては、
会話ができて、いつでも楽に走れる感覚です。
月の目標走行距離に到達するためだったり、
疲労回復するときに走るのがEペースランニングなのです。
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ランニングのEペーストレーニングの目的や効果は?Vdot表で確認しましょう
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Vdotの練習メニュー②M:マラソンペースランニング
その名の通り、マラソンレースの設定ペースで
走るランニングのことです。
ただ、マラソンを完走したことがない人からすると
このMペースを設定することが難しいですね。
そこで、最近走った10kmやハーフマラソンの
タイムから、およそのフルマラソンのタイムを予測することができます。
たとえば、10kmのレースなら、そのタイムより3分遅いタイムが、Mペースと考えられます。
例
10km50分(キロ5分)の場合、
Mペースは10km53分のキロ5分18秒と予測できます。
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Mペースの目的や効果は?Vdot表で確認してマラソントレーニングに活かしましょう
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Vdotの練習メニュー③T:閾値ランニング
閾値という言葉は聞きなれないですよね。
※Tは「Threshold 閾値」の略です。
閾値は、運動強度を上げていく中で、血中乳酸素濃度が
急に上がるポイントのことです。
このポイントを高めることが、持久力を高めることにつながります。
強度でいうと20~30分は走り続けられるスピードです。
イメージで言うと「快適なきつさ」です。
ある程度の時間、少しだけ速めのペースで持ちこたえる
感覚を身体にしみこませながら、持久力をあげるのです。
僕がサブ3をするために、精力的に取り組んだのが
このTペースのランニングです。
5km19分~20分(キロ3分50~4分00)で
走り続けて、閾値の向上を図りました。
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マラソンの閾値走にはVdot表を使おう
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Vdotの練習メニュー④I:インターバルトレーニング
閾値トレーニングの強度を、より一段あげたものが
インターバルトレーニングとなります。
走る→リカバリー→走る→リカバリーと繰り返すものが一般的ですね。
スピード練習として広く知られているインターバル走ですが、
ダニエルズにおけるIトレーニングの目的は、
「有酸素能力(VO2max)の向上」と定義しています。
有酸素能力とは、全身持久性能力とも呼ばれ、
長い時間にわたって全身的な運動を継続できる能力です。
僕は、閾値ランニングとともに、サブ3に向けて
インターバルトレーニングもたくさんやりましたね。
非常にきついトレーニングです。
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マラソンのインターバルトレーニングにはVdot計算表を使おう
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Vdotの練習メニュー⑤R:レペティショントレーニング
Rペースでのトレーニングの主な目的は、
無酸素性作業能、スピード、ランニングの経済性を高めることです。
インターバル走と似ており、ランとリカバリーを
繰り返していくトレーニングとなります。
しかし、インターバル走とRトレーニングの大きな違いは、
「正しいフォームで速く走ること」です。
もがいてフォームを崩してしまうと意味がないのです。
また、Rペースで走る疾走区間は、2分を超えないというルールがあり、
ほとんどのランナーの疾走距離は200m~600mになります。
リカバリーは疾走時間の2~3倍と心肺が回復するまで十分に取りましょう。
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【200~400m】マラソンのレペティショントレーニングにはVdot表を使おう
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Vdot表で各ペースの強度を確認し練習メニューに取り入れよう
簡単に言うと「Vdot=最大酸素摂取量」です。
マラソンのような有酸素運動では、
「いかに酸素摂取量を上げあるか?=心拍機能を高められるのか?」
が重要となります。
ですからVdot表とは「このタイムを狙うなら、このVdotが必要」という目安がかかれた一覧表になります。
Vdotについて詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
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VdotとVO2maxはどう違う?マラソンのタイムを予測するには?
続きを見る
Vdot表には、各Vdotに対する各ペースの目安があります。
本記事では、市民ランナーさんが、目標にしやすいマラソンタイムについて記載します。
目標タイム | Vdot | Eペース1km | Mペース1km | Tペース1km | Iペース1km | Rペース400m |
4時間00分 | 38 | 6:11~6:54 | 5:45 | 5:19 | 4:54 | 1:48 |
3時間45分 | 41 | 5:49~6:31 | 5:22 | 4:54 | 4:42 | 1:42 |
3時間30分 | 45 | 5:23~6:03 | 4:57 | 4:38 | 4:21 | 94 |
3時間15分 | 49 | 5:01~5:40 | 4:36 | 4:20 | 3:55 | 88 |
3時間00分 | 54 | 4:38~5:14 | 4:14 | 4:00 | 3:41 | 81 |
2時間50分 | 57 | 4:26~5:01 | 4:03 | 3:50 | 3:31 | 79 |
2時間40分 | 62 | 4:08~4:41 | 3:46 | 3:34 | 3:17 | 73 |
2時間30分 | 66 | 3:56~4:28 | 3:34 | 3:24 | 3:08 | 69 |
あなたの目指すVdotはわかりましたか?
そのVdotの基準となる各ペースを意識して
トレーニングを積み重ねていくのです。
Vdotを活かした練習メニューの組み合わせ
ここまで、5つのトレーニングと具体的なペースを見てきました。
ダニエルズ式トレーニングでは、
この5つのトレーニングを大会までの
4つの期間(フェーズ)において、
それぞれの組み合わせによりメニューを組みます。
フェーズ | 練習の目的 | 練習構成 |
フェーズⅠ | 基礎の構築と怪我の予防を主眼とするフェーズ | E |
フェーズⅡ | スピードへの適応フェーズ | E、R |
フェーズⅢ | 有酸素性システムへの運動刺激で4つの刺激のうち最もハードなフェーズ | E、I、R |
フェーズⅣ | 持久力・閾値領域の向上、パフォーマンスをピークに持っていくフェーズ | E 、 T、 I 、R |
ということで、あなたが狙っているレースから
逆算して、今自分がどのフェーズにいるのか?
を考えて、練習メニューを組んでいくとわかりやすいですね。
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【まとめ】Vdotを練習メニューに活かすには?
いかがでしょうか?
マラソントレーニングの種類と特徴、
さらには、各ペースの目標タイムや組み合わせ方など
イメージわきましたか?
自分のレベルを知り、
今のフェーズを設定して、
今日の練習の目的を決める。
それを意識しながら、日々トレーニングをしていきましょう。
そうすれば、マラソンのレベルアップは確実です。
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